手結山の家

敷地は手結山の中腹海抜40mの、南西に鯨泳ぐ太平洋(土佐湾)を一人占めする眺望抜群の地です。クライアントは情報処理を専門とする学者で、パソコンに向き合う日常の疲れを癒す空間として、自然環境と自然素材に包まれた週末住居として建築されました。
出来栄えもさることながら環境への嵌まり具合が巧く、今では終の住まいとされています。建築家冥利につきます。敷地は北面道路より3.0m毎に下る段々畑です。上部3段は建築、下段2段は休日の畑仕事のための場です。雑草との闘いに勝てることを祈ります。
建築は各階4間角の2層(グランドフロアーと下層階)、延面積32坪のシンプルな平面です。4間角の中心に尺角の肘木組を柱頭にもつ大黒柱を持つ四方寄棟です。南・西面の3間分の建具(雨戸・ガラス戸・網戸)は全て1間の壁に収納され、自然と一体となります。春は花(桜)見、夏は星の観賞、秋は月見、冬は日なたぼっこを…。


所在地 芸西村
構造種別 木造2階建
延床面積 106㎡
竣工年 2014