中土佐町立久礼中学校

「人と自然との距離は、人とその健康との距離に比例する」という考え方を学校建築に当てはめ、「子どもたちと自然との距離は、子どもたちとその健全な成長の距離に比例する」と考え、土佐の恵みである自然素材、特に地場産材を多用した中学校としました。
教室の桁行きの両側の柱を貫通した肘木で梁を受け、支点間を短くすることで梁断面を小さくすると共に、接合部は木造ラーメンのように剛性が高く、ねばりを持ちます。
また、昔の納屋や商家のように、同断面の梁を半間モジュールでシステマティックに組み上げることで、大工手間の省略化を目指しました。
通常の単年度決算では、柱・主梁等の特殊材および原材料で1.000m3に近い木材の確保は難しい、しかし町の木造校舎実現への思い入れの強さにより、2年度にまたがる木材の調達を実施し、良材を得ることができました。この校舎に使われた特殊材と約1,000m3の木材は、大量の良質の桧材が中土佐町の恵みとして存在していたからこそ実現できました。中土佐町の恵みに感謝したいと思います。


所在地 中土佐町
構造種別 校舎/1階部分RC造、2階部分木造
     体育館/鉄筋コンクリート造3階建
延床面積 3938㎡
竣工年 2010
賞歴 平成23年度優良木造施設林野庁長官賞