豊永郷民俗資料館
当建築は山間部の民俗資料の収蔵と展示のための資料館です。 敷地は四国中央に位置する山深い土地、美しい自然に囲まれたロケーションの素晴らしい地です。この風景に溶け込む建築でありたいと願いました。
外壁は土佐漆喰、腰壁に瓦、骨である構造体は地元大豊町産材。地元の“恵み”を使うことで、この土地から生まれ、時間軸を絆ぐという意味を内在させています。 機械に頼らない室内環境を構築するため、蔵や城郭の建築手法を発展させました。
高温多湿、下から降ると表現される土佐の環境の中、重要な資料を保存する為に地元の自然素材を用いてディティール、平面、断面を構成しています。その意匠性と機能性を併せ持つ建築手法を直接的に表現し、展示の一部として見せています。
木造2階建、2棟の建築は敷地の形状と高低に合わせ蛇行して配置しています。木橋を渡り内部に入ると中央のトップライトより肘木を持つ通し柱群に、柔らかい光が注ぐ吹き抜け空間が現れます。
特殊材は使用せず、伝統木構法である桝組斗供・貫工法に学び、システマティックに組み上げられた柱や梁は、整然と並び、あたかも、“木の森”のようです。
所在地 大豊町
構造種別 木造2階建
延床面積 482.54㎡
竣工年 2015
賞歴 第2回JIA四国建築賞 大賞
第4回高知県建築文化賞 高知県知事賞/木造文化賞
平成27年度高知県木の文化賞
2017年度GOOD DESIGN賞
2017年度第17回甍賞